加熱研磨のデメリットについて


磨きは従来、「コンパウンドに含まれる溶剤と研磨熱が切削加工の作業性を向上させる」と言わ

れてきました。

が、、一部分をあまり長く、しかも力を入れて研磨をすると、その部分は非常に高温となってき

ます。

研磨熱が高温になると言う事は確かに塗装を軟らかくするので切削力(削る力)は高くなりま

す。

が、熱による膨張と冷却による伸縮により仕上がりの精度を出すことは非常に困難になります。

また、
傷が入り易くなりますし、削りやすくなることで過研磨(磨きすぎ)や高熱になるとパネ

ル自体が「歪み」を起こす危険性も高くなるのです。

では、磨きをするクリアー塗装ではどのくらいの研磨熱で柔らかくなるのでしょうか?

以前、塗料メーカーさんに「塗装は何度位から軟化しますか?」とお伺いしたところ「40℃後半

から・・。」と言う事でした。

左の写真は、コンパウンドのメーカーさんから提供いただいたサーモグラ

フィーの写真ですが、

これはシングルポリッシャーで磨いた場合の研磨熱の様子です。

中央のピンクの部分が大体90℃以上になっています。

「どのような結果を引き起こすか?」想像してみてください。  すぐに想像がつきますよね。

高い研磨熱による弊害は、まだまだたくさんありますよ。

代表的なのが、プロでも困っている方がいる「バフ目(磨き傷)」です。

塗装が柔らかい為に細かい傷も容易に入ってしまうのです。

しかしながら、従来のコンパウンドのように溶剤を配合しているために、バフ傷程度の浅い傷な

らこの溶剤やその他、艶出し剤などで傷を埋めてしまうために比較的簡単に傷が消え鏡面になっ

たように見えるのですが、洗車や降雨、時間の経過により埋めていたものが流されたり劣化して

埋められていた傷が現れたり、艶引きを起こしたりします。

摩擦熱を抑えるために潤滑性を向上させる目的での配合だと思うのですが、これもトラブルの一

因にもなっているのです。

にもかかわらず、研磨熱が高温になることで溶剤の油膜が切れて潤滑性が無くなって更に研磨熱

を上昇させ、研磨力も落ち、カラミや焼き付きが起こり、最悪の場合には「パネルの歪み」が起

こってしまうのです。

パネルが歪むと、鈑金塗装が必要になり膨大な修理費がかかることとなるのです。

他にも、 プレスライン(折山部分)やパネルのエッジ部分は塗装が薄いために、他の場所よりも

ベースが出易いので要注意です。

また、乾いた研磨剤や研磨カスなどの研磨熱による塗膜への固着で表面が曇ったようになる「


ボケ
」、或いは塗装が熱膨張により研磨傷が見えなかったのが冷めることにより現れてくる「

」やその他「ツヤ引き」などの症状の原因にもなります。

最近では、車も燃費を追求するあまりボディーの軽量化により
鋼板を薄くしたり、アルミや樹脂

パネルの使用箇所も増加傾向にあり、このような
柔らかいパネルに強靭な塗装を施しているも

のも増加してきています。



上の写真2枚は、樹脂パネルをシングルポリッシャーと毛先の短いウールバフでで約10秒間、一

か所に集中して磨いた写真です。

右側は、さらに数秒磨きつづけた状態の写真です。

研磨熱で塗装がこんなになってしまうんですよ。

パネルの表面も少し軟らかくなってました。

研磨熱は、日産のスクラッチシールドやトヨタのセルフレストリングコートなど、自己修復性耐

すり傷塗装のように強靭でしかも弾力性のあるという非常に磨きづらいクリアーの磨きにも悪影

響を及ぼします。

この塗装は、温度の影響も受けやすい塗装の為、研磨熱の上がりやすいシングルポリッシャーで

の磨きは適していません。

ここまで加熱研磨についてご説明をさせていただきました。

いかに研磨熱が多くのトラブルのもとになっているかをご理解いただけたと思います。

ご理解いただけたところで、これらのトラブルは「
研磨熱を抑えた磨き」さえすればこれらのト

ラブルの大部分が回避できると思われませんか?

弊社では、上記の考えに基づき、研磨熱を極力抑えた研磨、
塗装へのダメージが少ない抑熱

(よくねつ)
研磨法」を考えるに至りました。

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1.塗装を知る
2.ポリッシャーについて
3.コンパウンドの特徴を知る
4.研磨作業について